第24章 24.二宮くん
〈11時発パリ行きは~…〉
その放送とともに鞄を持って席を立つ
もう、これで本当にお別れ…
今の自分とはここでお別れする。
次戻るときには…ちゃんと……変わって…
今思うと二宮くんって大きい存在だった
"俺のこと拾いません?"
そんな言葉から始まったこの生活
ドキドキして、ハラハラして、
…………好きだった。
きっと二宮くんなら素敵な人ができる
〈お客様、チケットを……〉
『え、あ…はい』
いつのまにか順番が来てチケットを渡して前に進んでいった。
「お姉さんっ!待ったっ!はぁ…はぁ…」
『え……二宮…くん……』
そこにはあたしが会いたかった。
二宮くんがいた。