第6章 蛍捜索 2
翼は墓の前に立っていた…
「要…なんで死んじまったんだよ!」
涙を流しながら翼は地面に崩れるように倒れた。歯を食い縛る。それでも涙は止まらなかった。
美咲「翼…」
要…おまえの世界はいつも病室で…結局何処にも行けないままで、
お前はそれでも幸せだって言って笑っていたから、俺もお前が幸せならって思っていた…だけど…
だけどこんな結末あんまりだ、納得できない。
翼は不意に上を見上げた…そこには蜘蛛の巣に引っかる一匹の蝶がいた。
その蝶はもがき逃げ出そうとするがみるみると弱っていく…そこに一匹の蜘蛛が襲い掛かる。
要の姿が蝶と重った。
「やめろ…」
翼は急に叫びだすと拳を地面に何回も叩きつけた
美咲 「翼!」
翼 「こんなのダメだ…
美咲、俺悔しくてたまらない。あいつに何もしてやれなかった」
美咲 「…うん」
翼 「俺はもっとちゃんと守るべきだった…」
美咲「…うん」
?「パパ…」
幼い少女が翼に声をかけた
翼 「奏…」
奏 「パパ大丈夫?手怪我してるよ」
奏は翼の手を優しく触る
自分の娘に俺は、こんな顔させてたのか…
翼は顔を上げ美咲をみた。涙を堪えながらも心配そうに見つめる美咲の姿があった。
最悪だ、俺って奴は
自分の顔を両手でバシッと叩いた
「大丈夫だ、二人とも悪かったな」
俺は、こいつらを守らなきゃいけねーのに、情けねぇ…
そうだ、守りたい。今からこの俺にできる事は…
翼は小さな奏でを見て決意を固める。
翼「美咲!決めた!俺は、アリス学園の先生になる」
美咲「!!」
翼 「俺は決めたんだ、要みたいにアリス使うと命を削っちまうそんな奴らの助けになりたい」
翼はギューっと奏でを抱きしめた
美咲「そっか…うん、翼らしい答えだ」
美咲は涙を拭いて精一杯わらった
翼「だろう」
惚れ直した?
翼は満足げに笑いかえした
美咲 「調子に乗るな バカ」
奏 「パパ大好き」