第23章 -アオイイナズマ-(青峰大輝)

「ヤダヤダ…大輝っ‼︎」

思わず…気がついたら…わたしは大輝の広げている腕の中に飛び込んでいた。

ゴロゴロ…

「きゃぁっ‼︎やだぁっ‼︎大輝っ‼︎」

「…っ⁈…おまえなぁ…」

呆れた大輝がスッとわたしから離れようとしたので、思わず大輝を見上げてしまう。

「やだ…大輝…行っちゃうの…？」

雷は小さい頃から苦手…怖くて怖くて仕方ない。

「はぁ…行かねーよ。でも…煽った責任…取れよ？」


…ぐいっ

…っ⁈


急に大輝に引き寄せられたかと思うと、大輝の手がタオル越しにわたしの胸に触れる。

「やぁ…っん…」

「…っ⁈甘い声出してんじゃねーよ…」

「大…輝…やっ…恥ずか…し…ぁっ…」

大輝の大きな手はわたしの胸を優しく強く刺激しつづける。

「きづな…いい匂いすんな…」

大輝にギュッと抱き締められ、大輝はわたしの首筋から胸へと顔を埋めていく。

「大輝…や…やめ…」

「だーかーらー。煽った責任取れっつったろ？つぅか、そんな声出されて…やめられっかよ。」

…っ⁈

「ちょっ…⁈やっ…」

胸を刺激するのをやめた大輝の手が、今度は太腿をなぞる。


タオル越しではなく…素肌を…


やだ…どうして…？なんで…？


怖い…体が…動かない…


「いやぁっ‼︎」


「きづな…？…⁈なんで泣いて…？」


わたしの異変に気付いたのか、大輝はわたしの肩を掴み、体をはなした。

「こんなの…ヤダ…よ…」

涙が止まらない…どうしよう…

「はぁ…じゃあ、男の前で…んなカッコすんなよ…」

呆れた大輝がため息をつきながら、わたしを睨んでいる。

「だっ…て…大輝がいるなんて…」

「抱き付いてきたのは、そっちだろ？」

「それは…」

「雷怖いからって目の前にいる奴、誰彼構わず抱き付いてんじゃねーよ！」

「…っ‼︎…誰彼構わずじゃ…」

大輝のことばに止まりかけてた涙がジワリと溢れてきてしまう。

「だ…大輝だって‼︎」

「…オレがなんだよ？」

「誰彼構わず胸とか触るのやめなよ‼︎か…勘違いしちゃ…」


…ギュッ


気がついたら、また大輝の力強い腕に包まれていた。

「誰彼構わずじゃねーよ。」

「だい…き…？」

「きづなだからだろ？つぅか、他の奴の前でぜってぇこんなコトすんじゃねーぞ。」


---End---