第1章 大きな背中
生憎、車を出せる先生は誰もいなくて、両親も演奏者として
海外へ飛んでしまった。
保険の先生とどうしようか。と悩んでいた時…
「先生、俺がおぶっていきますよ。」
そう言って屈折ない笑顔で笑ったのは、
幼馴染みの大地くんだった。
「大丈夫?澤村くんは頼りになるけど、この雪だし滑って骨折ったりしたら大変よ?」
「俺んちなら近いですし、幼馴染みなんで、泊まればいいかと思います。」
「あら、そうなの?じゃあ、お願いしていい?私もまだ仕事残ってるの、
澤村くん、お願いね?」
「はい。もちろんです。」