第6章 Alibi
「ぅあっ…はっ…ぁ…」
先を予想していなかったのか、智君の背中が大きく仰け反る。
「ば、ばか…いきなりはなし…だって…」
智君の腰が引けるのを、腕を回して引き寄せる。
「いきなりじゃなかったらいいの?」
「そ、そうじゃない…俺が欲しいのは指なんかじゃなくて…」
分かってるよ?
智君が欲しいのは俺自身。
実際俺だってもう限界だよ?
でも傷付けたくないから…
「ちゃんと上げるから、ね? …だから…」
智君の中に入れた指を動かしながら、二本目の指も入れる。
少しずつ解れて行く中を入れた指でかき混ぜながら、智君の一番いい場所を探る。
「あっ、あぁっ…、そこ…やめっ…ん、あっ…はっ、あ…ん…」
智君の膝がガクガクと震え出す。
「いいよ、イキたいんでしょ? イキなよ?」
立ち上がり、背中をピッタリ密着させるように後ろから抱き締め、前に回した手で胸の先を摘まみキュッと抓ってやる。
「…っ、や…ん、あっ…くる…、あっ、ん…はっ…んん…っ…」
大きく頭を振ったかと思うと、先端からシンクに向かって飛び散る飛沫。
膝から崩れそうになる身体を支え、反転させる。
「まだまだだよ?」
肩で息をする智君の両腕を俺の肩に回させ、片足を持ち上げた。