第6章 Alibi
智君の唇が俺の胸の先をカリッと甘噛みをする。
「…はっ…ぁ…」
甘い痺れが全身を駆け巡り、身体中の血液が中心へと向かって集まっていく。
「こいよ…」
シンクの縁から床へと足を降ろすと、俺に背中を向けて立つ智君が、丸みを帯びた双丘を俺を誘うように突き出した。
俺はその滑らかな肌の感触を確かめるように、背中にキスを落としながら、双丘を撫でその間へと指先を滑らせた。
小さく窄んだ蕾の周りをクルクルと指で撫でてやる。
「なぁ…、それ、焦れったい…」
時折背中を反らしながら智君が言う。
「でもこうされるの好きでしょ?」
「好きじゃねぇよ…」
指先が触れる度腰を揺らしてるくせに、全く素直じゃない。
俺は床に膝立ちになると、両手で割り開いた双丘の隙間に舌を這わせた。
「…ん、はぁ…ん…」
尖らさせた舌先を蕾の奥に差し入れると、ビクンと跳ねる身体。
「…それ、やだ…って…」
身体を小刻みに震えさせながら訴える。
けど、
その言葉とは裏腹に、さっき吐き出したばかりの中心が緩々とその勢いを取り戻していく。
「感じてるんでしょ?」
「ちがっ……!」
いつまでも素直じゃない…
俺は十分に唾液を纏わせたそこに、指を突き入れた。