第40章 Everyday…
智君でも嫉妬することがあるんだ…と、そう思ったらなんだか笑えて来て…
「な、何がおかしいんだよ…」
「だって…、智君が弁当屋の店員や八百屋のおばちゃんに嫉妬なんて…」
「わ、悪いかよ…。俺だってなぁ、嫉妬くらいするし…」
感情をあまり表に出すことのない智君だから…なのかな…
腹を抱えて笑う俺に向けられる、不貞腐れた顔も、若干の怒気を孕んだ声も…、その全てがたまらなく可愛くて、愛おしくて…
「ありがとう、智君…」
いつしか震えの消えた身体を抱きしめ、見事なまでに尖らせた唇に自分のそれを重ねた。
本当に軽く触れただけのキス…
でも欲張りな俺は、当然それだけじゃ足りなくて…
「智君…、その…ダメ…かな…?」
一日中汗と機械油に塗れて仕事をしていたんだから、智君だって疲れてるのは重々承知している。
だからこそ、週末だけ…って、勝手に自分で決めていたんだけど、ついついその先を強請ってしまう。
「ダメもなにも…、飯は…? 腹、減ってんじゃないの? それに風呂もまだだし…」
確かに腹は減ってるし、風呂にだって入りたい。
でも、それ以上に君が…智君が欲しいんだ。
欲しくて欲しくて、身体の中心が疼いて仕方ないんだ。
「俺…すげぇ臭いけど…それでも良いのかよ…」
「うん、構わないよ…」
クスリと笑った智君を抱き上げ、俺は寝室のドアを開けた。
その時、丁度タイミング良く、炊飯器が炊飯の終了を告げた。