第40章 Everyday…
「そっか…。だったら仕方ないんじねぇの?俺だってあるし…そういう時…」
智君がゆっくり顔を俺に向けながら、クスリと笑う。
「智君…も…?」
「そりゃあ俺だって、お前が誰かと楽しそうに話しなんかしてるとムカつくし、どうしてその相手が俺じゃないんだ、って思う時だってあるからさ…」
意外だった…。
人間だから、当然持ち合わせている感情ではあるけど、まさか智君が嫉妬なんて…、思ってもなかった。
「それに…」
余程言い難いことなのか、一度はこちらに向いた視線が再び逸らされる。
「それに、何? 言って?」
知りたいんだ。
普段はあまり多くを語らない君だから、智君が何を考え、何を思っているのか、全部知りたいんだ。
「それに…さ、お前は気付いてないかも知んないけど、角の弁当屋の店員、お前に惚れてるし…」
「えっ、そう…なの?」
丁度帰宅途中にあるから、便利で何度か利用したことはあるけど…、そんなこと、全然気付かなかった…。
「あの店員、いっつもお前の分だけ飯の量多くしてんだぜ? 気付かなかった?」
「い、いや…、全然…」
「それから、商店街の八百屋のおばちゃんも…、あとクリーニング屋の店員も、みんなお前に色目使ってさ…」
顔を背けたまま、プーっと口を尖らせる智君…。
ねぇ、それって…さ、もしかして…?