第40章 Everyday…
違う、って…、松本に嫉妬するのは、とんでもなく見当違いだってことは頭では理解してた。
松本には、俺は会ったことはないけど、随分前から想いを寄せている相手がいることも聞いていたし、松本に嫉妬するということは、同時に智君の俺に対する気持ちをも疑うことになるから…
でも…、なんだよな…
つい、さ…
「今日のあれは何? 松本とか、か、か、間接キスなんて…」
ちっぽけな理由で智君を問い詰めてしまう。
「は? 間接キスってなんだよ…。知らねぇし…」
「俺見たんだから…、松本が飲んでた缶コーヒー、智君“一口頂戴”なんて言って貰ってたでしょ?」
「それは…。つか、んなこと誰とだってすることだろ? 侑李とだってするし…。んなことでいちいち目くじら立てんの、おかしくないか?」
分かってるよ…
今更小学生の子供じゃあるまいし、缶コーヒーを回し飲みしたくらいで焼きもち焼くなんて、どうかしてるって俺だって分かってる。
てもね、智君?
そんなちっぽけなことでも嫉妬してしまうくらい、俺は君のことを愛してるんだよ?
でも君は…?
当然のようにキョトンとした顔を向ける智君を乱暴に抱き寄せ、半開きになった唇の隙間に、強引に舌先を差し込んだ。
そして当然のように、息苦しさに身悶える智君を、ダイニングテーブルの上に押し倒した。