第37章 Oath
モニターから防犯カメラの映像が消え、岡田がマンション管理人からの証言が取れていること、雑誌に残された指紋が管理人と俺の物であること、そして映像が撮られたのが、死亡推定時刻よりも以前だと言うことを説明した。
俺の、事件当時のアリバイが証明された、と考えていいんだろうか…
どちらにしても、これには流石の検察側も、ぐうの音も出ないと言った様子で、苛立ち紛れに指で机を叩いた。
「そしてここからは、喜多川建設の児童買春の件にも関係することなんですが…」
珍しく岡田が表情を強ばらせる。
「先程弁護側がこの件に関して、証人である知念さんにお見せした写真…その中に、証人と被告人に深く関わりのある人物がいるのですが…」
プロジェクターに、その人物の写真が映し出される。
それは翔は勿論、俺もよく知っている人物の写真で…
翔は写真が映し出された瞬間、キュッと瞼を閉じ、点を仰いだ。
「この人物をご存知ですか?」
誤魔化しようのない問に、翔が一瞬ゴクリと息を呑む。
そして閉じていた瞼を開き、
「僕の父です」
震える声で答えた。
「そう…ですか…。知念さんによれば、貴方のお父さん…櫻井俊氏が、児童買春の顧客だったそうですが…、貴方はご存知でしたか?」
「いえ…。全く知りませんでした。父は弁護士という職業柄、そう言ったことには縁がないと思ってましたから…」
俺でも侑李からその話を聞かされた時はショックだった。
実の息子である翔が受けた衝撃は計り知れない。