• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第33章 Scheme


「ちょ、ちょっと待って? 智君はどうして彼女が身体を売ってると…?」

「それは…、森田から結へ送られたLINEのメッセージを見たことがあって…」

勿論見たくて見たわけじゃない。

たまたま…、だったんだ。

一緒に飯食いに行った時、結が席を外して、その時にな…

「そこには何て…?」

全文が表示されていたわけじゃないが、確か…

「待ち合わせに使うホテルと、相手の名前…だったと思うけど…。尤も、相手の名前までは分からないけど…」

ただその後も、何度か同じような内容のメッセージが送られて来ているのは確かだ。

毎週火曜日、必ず決まった時間に結のスマホは鳴ってたから…

「で、でもっ…! それだけじゃ殺す理由には…」

「ああ、ならないだろうな…」

あの日、結が殺されたあの日、結は電話で俺に話があると言ってきた。

その時は、俺も名目上は結の彼氏だったわけだから、当然そういう関係になることも覚悟の上で、結の部屋を訪ねた。

でも森田が来るとは、聞かされていなかったし、突然訪ねて来るなんてことも思ってもなかった。

友達とは言え、女が一人暮らししてる部屋に訪ねるなんて、俺には考えられなかったからな…

結局結が俺に何を話したかったのかは、森田が来たことによって聞けずじまいになっちまった。

でもただ一つ…

「結は、俺に恋人がいることを知っていたみたいなんだ。…それも男の、な…」

結がどうやってその情報を知り得たかは、俺には分からないけど…
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp