• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第33章 Scheme


翔の目が見開かれる。

考えていることは同じ、ってとこだろうな…多分。

俺は翔との関係は元より、女には興味が持てないことだって、会社はおろか知り合いにだってずっとひた隠しにしてきたんだ。

俺が男しか…翔しか愛せない、所謂ゲイだってことは、誰も知らない筈なんだ。

ただ一人、あの人を覗いては…

だとすると、情報源は“あの人”しか考えられない。

尤も、結と“あの人”の間に、直接関わりがあったかどうかは分からないけど…

もし…万が一関わりがあるとしたら…

「あの人が結さんの客だった、ってことは…? 考えられない?」

「その可能性は、俺も考えなかったわけじゃない。でも、仮にそうだったとして、証拠がある訳じゃない。それに、結が殺されなきゃならなかった理由は、それだけじゃないと思うんだ」

何せあの人は喜多川と深く関わっていたようだから…

「なあ、結の携帯は? 当然証拠として押収されたんだろ? だったら…」

詳しくは知らないが、通話履歴ってやつを調べたりするのを、ドラマかなんかで見たことがある。

「それが…」

俺の問いかけに、翔は瞼を伏せて首を横に振った。

「俺が聞いてる限り、彼女の携帯が押収された事実はないんだ。ついでに言えば、契約上の個人情報も、どういう訳だが開示の許可が下りなかった」

「…そっ…か…」

携帯さえあれば、もしかしたら重要な手がかりになったかもしれないのに…
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp