第1章 Falldown
俺と一緒に収監されたのは七人。
その七人が、腰に括られたロープで繋がったまま、検診所に入れられる。
ここで漸くロープが解かれ、手荷物は全て没収された。
出所の時まで所内に保管されるらしい。
そしてこれは拘置所でも経験済みだが、最も屈辱的な身体検査。
刑務官の監視の元、一矢纏わぬ姿にさせられ、順番に個室に呼ばれていく。
「1513番、入りなさい」
俺の番が回ってきた。
個室に入ると、検査員が銀縁の眼鏡をクイッと指で持ち上げた。
「手を頭の後ろに、口を開きなさい」
俺は言われるまま、両手を後頭部で結び、口を大きく開けた。
検査員の視線が口、鼻の穴に至るまで覗き込み、素肌に手が触れ、全身をくまなく検査していく。
一瞬、胸の両の尖りを小指の先が掠めた。
逸らした視界に、検査員のニヤけた顔が入り込んだ。
なんだ、コイツ…
「後ろを向いて、上体をその台に乗せなさい」
言われるがまま、俺は台の上に胸をピッタリと着けた。
「開きなさい」
そう言った検査員の声に、熱い吐息が混じっているのを、俺は聴き逃さなかった。
コイツ、ヤバい…
それでも逆らうことの許されない俺は、両手で穴の奥まで見えるように、双丘をグッと割開いた。