第33章 Scheme
「はっ…、あぁっ…、しょ…、もっと…」
もっと深く俺を…貫いてくれ…
「智…くん…、あぁっ…」
翔の頬を伝った、雫が俺の頬を濡らす。
何故泣く…
お前が泣いたら俺も…悲しくなる…
だから、
「なぁ…、笑え…よ…、翔の…笑顔…見せてくれ…よ…」
軋むベッドの上で身体を揺さぶられながら、力なく伸ばした両手で翔の頬を包む。
「頼む…から…」
他には何も望まない、だから…
「智君…、ああ…智君…、愛してる…」
一番欲しかった言葉に、冷えかけていた心が震える。
「しょ…も、俺…」
熱い手で包まれた中心が、まるで心臓がそこにあるかのように激しく脈打つ。
「ん…、一緒にイこ…? ね?」
その言葉に、俺は首だけでコクコクと頷くと、翔の頬を包んだ手を、俺とは違う逞しい首に回した。
瞬間、激しく揺れ始めた視界と、鳴り響くベッドの軋む音。
「あっ…、あ…、くっ…、イクッ…、イク…ッ…!」
全身が震え、俺はそれまでの思いを吐き出すように、翔の手の中に熱を放った。
そして翔も俺の中に…
「ごめんね、身体キツくない?」
荒い息を整えることなくベッドに身を投げ出した翔が、俺の顔を覗き込む。
その顔は、俺がずっと見たかった、翔の最高の笑顔だった。