• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第31章 Friction


客間に敷かれた二組の布団に、二人並んで横になる。

あれっきり岡田が口を開くことはなく、部屋の灯りを消した後も、俺達の間には気まずい空気だけが流れた。

怒っているだろうか…
岡田の心を弄ぶようなことをした俺に…

だとしたら…

「起きてる…か…?」

恐る恐る隣りの岡田に声をかける。

「ああ、起きてるよ…」

その一言に、俺はホッと胸を撫で下ろす。

「さっきは、その…済まなかった」

「別にかまわんよ。ただな、アイツを悲しませるような真似は、二度とするな」

「うん、分かってる。もうしない…」

岡田…、お前を苦しめるような真似もな…

「ならいい。もう寝ろ」

「ああ、そうするよ…」

流石に今日は疲れた。

身体が、じゃなくて心が押しつぶされそうなくらいに、酷く…

「なあ、岡田…」

「……………」

俺の呼びかけに、岡田は応えることをしない。

「なんだ…寝たのか…」

酒には滅法強い岡田だけど、今夜は結構飲んでたからな…
無理もないか…

「なあ、岡田…。お前なら…どうする…?」

もしも…

もしも信じてた人に、最も残酷な方法で裏切られていたとしたら…


お前なら…どうする?


俺は今にも零れ落ちそうな涙を、岡田に気づかれないように、そっと拭った。
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp