• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第24章 Confession


「立ちなさい」

感情の見えない目が、俺を見下ろす。

「…はい」

俺は井ノ原の手を借りながら、ノロノロと車椅子から立ち上がると、傍にあった壁に片手を着いた。

「所持品はこれだけか?」

今の俺に“所持品”と呼べる物なんて、何一つありはしない。

仮にあるとしたら…今のところあまり役には立っていないが、俺のもう一本の足とも呼べる“杖”ぐらいのモンだ。

「コレはコチラで預かるが、構いませんよね?」

刑務官が井ノ原を見た。

井ノ原はなんとも言えない複雑な表情を浮かべ、それでも仕方なく頷く。

それが“凶器”に変わりうる可能性は、否めないことを、井ノ原自身重々承知しているから、なんだろうな…

「では、服を脱いで」

俺はフッと息を吐くと、片手で上衣のボタンを外した。

そして肩からスルリと落とすと、続いてズボンに手をかけた。

ウエストはゴム製になっているから、着脱は簡単に出来る筈なのに…

「あの…、介助しても?」

見兼ねたのか、井ノ原が刑務官に向かって、俺の介助を申し出た。

「…許可しましょう」

一瞬困惑した様子を見せたが、仕方なく…、だろうな、それを受け入れた。

「悪いな…」

アンタが謝る必要なんてないのに…

井ノ原が俺のズボンを、下着ごと一気にずり下ろした。
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp