第24章 Confession
「ばかだな、君は…。そんな強がんなくて良いのに…」
その場に立ち尽くし、動けなくなってしまった俺を、翔が背中から抱き締めてくれる。
さっきまで冷えていた俺の背中が、フワッと暖かくなるのを感じた。
「あのさ、約束して欲しいんだ」
「…何を?」
「もう何も隠さない、って約束して欲しいんだ…」
俺が翔に隠していること全てを、お前は曝け出せと…?
でもそんなことをしたら、きっとお前は俺の元を離れて行くだろう。
それが俺は怖くて堪らないんだ。
「俺ね、決めたんだ。智君と一緒に闘う、って…」
俺の胸元で組んだ手に、力がギュッと込められる。
それは翔の揺るぎない決意の証、なんだろうな…
「今度俺達が会う時は、きっと俺は弁護士の立場も捨ててるかもしれない」
「なんで? お前、弁護士の仕事に誇り持ってたんじゃなかったのかよ? それを、俺一人のために捨てるなんて…言うなよ…」
お前が頑張ってる姿を、誰よりも近くで見てきたのは、紛れもなく俺だから…
俺のために、この先の未来を捨てるなんてこと、して欲しくはないんだ。
「智君のため、だからかな…。捨てても構わない、って想えるのは…。君のためなら、俺は全てを捨てたって構わないんだから…」
翔の決意が固ければ硬いほど、俺の中に遣り切れない思いが募っていく。