第24章 Confession
程なくして東山と井ノ原、それと主治医が病室のドアを叩いた。
「まあ、問題はないと思いますが、一応診察を…」
主治医は首に掛けた聴診器を耳と、それから俺の胸に宛てがうと、目を閉じて小さく頷いた。
「血圧は少々低めですが、ほぼ正常値と言えそうだし、このまま退院して問題なさそうですね」
「良かったな、大野」
東山ぎ俺の肩を叩いてそう言うが、俺にはそれご良いことなのかどうなのか…正直なところ良く分からない。
ただ一つ分かるのは、ココを出たら、そう簡単に翔に会う事は出来なくなるってことだけだ。
「後のことは井ノ原医務官に任せてあるから、安心しろ」
それはどういう意味だ…
井ノ原とはもう…
「ああ、あのな、俺お前の移送先に転任することになったんだ」
「はあ? なんだよそれ…。聞いてないけど…」
井ノ原と東山が、俺の目の前で顔を見合わせ、クスクスと笑う。
「いやな、ダメもとで申請出したら、すんなり通ってしまってな? だからお前のことは、俺が責任もって面倒見てやるから。だから安心して下さい、櫻井さん」
視線を壁際で立ってずっと様子を伺っていた翔に向けると、頭を一つ下げた。
なんだよそれ…
勝手なことしやがって…
でも、そんの井ノ原の気持ちが、少しだけ有難く感じたのも、また事実だった。