第23章 Deep Love
智君が俺以外の男と…
分かっていたことなのに、実際智君の口から聞かされると、その衝撃は予想以上に大きくて…
返す言葉も見つけられないまま、濡れた頬に宛てた手が、ストンと力なく落ちた。
智君がどんな顔をしているのかすら、見る事が出来ない。
きっととても悲しい顔をしているに違いない。
ずっと一人で抱え込んで、苦しんで来たに違いない…
それなのに俺は…
「…ごめん…」
不意に口を付いて出た言葉に、智君がフッと息を洩らした。
「なんでお前が謝んの? お前を裏切ったのは俺だろ? 責めればいいじゃん…。もうさ、今更何言われたってショックなんて受けねぇし、それに…」
“それに”何…?
「それに、お前が無理だ、って言うなら、別れて貰っても構わねぇし…。ほら、お前だってアレだろ? 俺みたいのがいたらさ、仕事に支障が出んだろ? だったら、とっとと見切り付けてくれた方が…」
「勝手なことばっか言うなよ…」
瞬間、俺は智君の身体をベッドに押し付け、細い腰の上に馬乗りになっていた。
病院から誂えられた寝巻きの紐を解き、乱暴にそれを剥ぎ取ると、肋の浮き上がった肌を外気に晒した。
抵抗しないのをいいことに、智君がどんな顔をして俺を見上げているのかも知らず、ただ感情のままに俺は智君の身体を開いた。