第22章 ray of hope
「自殺、だったんだよな…?」
俺はどうしても知りたかったんだ。
どうしてマサキが自らの命を絶ったのか…
その理由を俺は知りたかった。
「そうだな…。正直なところ、俺も詳しくは知らないんだが…」
井ノ原が”う~ん”と唸りながら頭をボリボリと搔いた。
長野に至っては、俺に背を向けたまま、しゃくり上げるように泣いている。
元々気弱な性格なんだろうが、これで良く刑務官が務まるもんだと、今更ながらに思ってしまう。
「あの後な、一旦は懲罰房に入れられたんだがな、どうにも様子がおかしい、ってことになって…。壊れてたんだろうな、ココが…。で、医療刑務所へ送致されることになったんだ」
胸をグッと掴み、井ノ原が苦し気に顔を歪ませる。
「でもそこだって刑務所なんだろ? どうして防げなかった?」
当然監視の目はある筈だ。
それなのにどうして、マサキを止められなかった…
止めようと思えば止められた筈だ。
「確かにそうなんだがな…。アイツが入れられたのは、所謂精神病棟ってやつで、まぁ、隔離されてたんだようなんだよな」
「隔離、って…。マサキが? どうして?」
聞けば聞く程湧いて来る疑問に、俺は自然に拳を握り締めていた。