第22章 ray of hope

二人が顔を見合わせた。

そして暫く考え込んだ後、長野が漸く口を開いた。

｢松本も二宮も、表面上は元気にやってるよ？　まあ、あの直後はかなりショック受けてたけどな…」

”元気にやってる”
その一言に、少しだけ胸につかえていた物が軽くなったような気がする。

｢お前さ、知ってた？　二宮、相葉に惚れてたみたいでさ…」

それは薄々俺も感じてなかったわけじゃない。

二宮の相葉を見る目が、明らかに違っていたから。

｢そりゃもぉ、荒れてな…」

長野が一瞬声を詰まらせる。

そして一つ息を吐き出すと、俺に背中を向けた。

その背中が少しだけ震えている。

｢幸い松本がずっと傍にいたから、最近は少しずつ落ち着いてきてはいるがな」

言葉を続けられなくなった長野に変わって、井ノ原が続けた。

｢まぁ、ショックだよな…。アイツらもそれなりに修羅場潜って来ただろうが、あの現場目の当たりにしちゃあな…」

俺自身はその時の記憶は残っていない。
でも、後から聞いた話では、一種”異様な現場”だった、らしいと…。

｢で、マサキは？　マサキはどうなった？」

マサキが死んだ…

そのことについては、俺も聞いている。

でも、俺が気にかかっていたのは、マサキのその後だった。