第22章 ray of hope
涼し気な切れ長の目が俺を見下ろす。
正直言って、俺はこの目が苦手だ。
何もかも見透かされているような、そんな気がして…
「とにかく今は、リハビリに専念することだ。その後のことはアチラさん達がちゃんと考えてくれるだろうからな?」
東山が病室の入り口を顎でしゃくる。
「えっ…?」
視線を入り口に向けると、そこにはいつの間にか来たのか、井ノ原と長野が立っていた。
二人が東山に軽く頭を下げる。
「元気そうだな?」
長野が俺に向かって右手を上げる。
「アンタ達、なんでここに…?」
それ程時が経ったわけでもないのに、何故だか懐かしく思える顔ぶれに、俺は上体を起こそうと、両手を踏ん張る。
が、まだ筋力が戻り切らないその手では、体重を支えるだけの力なんてある筈もなく、ベッドの端に着いた手は滑り落ちてしまう。
落ちる…!
そう思った瞬間、東山の腕が俺の身体を抱きかかえるように受け止めた。
「ったく、何やってんだか…気を付けろ」
ずり落ちた身体をベッドに戻しながら、少しだけ怒りを含んだ声が俺を叱責する。
「あ、あぁ…悪ぃ…」
明らかに動揺を隠しきれない俺は、それだけを言うのがいっぱいで…
慌てて駆け寄って来た長野と井ノ原に向かって、ただ苦笑いをして見せることしか出来なかった。