第3章 Nightmare
カシャンと解錠の音と共に恐怖に震え出す身体。
ギッと軋んだ音を立てて開かれる鉄の扉。
近づいてくる人影。
全てが鮮明に感じられるのは、薬を盛られていないからなのか…
足元の布団を乱暴に捲り上げられ、両足首を掴まれたと思ったら引き抜かれた寝巻きの下。
「大人しくしろよ?」
外気に晒された太腿に、熱い吐息がかかる。
気持ち悪ぃ…
布団をギュッと握り締め、這い上がってくるザラついた舌の感触に耐える。
「おっと…忘れるところだったぜ…」
男の首に巻いたタオルで目隠しをされる。
視界を遮られることで、余計に恐怖感が増してくる。
「なんだ、震えてるのか? 生意気に…」
布団を握っていた手を捻り上げられ、一纏めにされると、布団を捲り上げられ、男の手が寝巻のボタンを外しにかかった。
「俺はなぁ、男になんて興味ねぇんだよ…。でもなぁ、お前は特別なんだろうな?」
ククッと笑うと、露わになった上半身を、骨ばった男の手が這った。
汗ばんだ指先が胸の尖端を潰す様に弄り、もう一方を男のザラついた舌が転がす。
ジワジワと背中を駆け上がって来る快感の波を押し返そうと、俺は唇をキュッと噛んだ。
口の中に鉄臭い味が広がった。