第3章 Nightmare
コイツもアイツと一緒なのか…?
あの獣のような男と…
冷たい汗が背中を伝う。
が…
「…次」
数秒の後、発せれたその一言に、一気に全身の力が抜け落ちる。
カツーン、カツーン…
遠ざかる足音に、溜息と同時に足を崩し、ピンと伸ばした背中を丸めた。
それから暫くすると朝食が運び込まれた。
でもそれに口を付けることが出来なかった。
用意された食事には殆ど手を付けることなく、運びこまれた時同様、差し込み口からトレーを房の外へと出した。
食事の時間が終わると、今度は房の清掃を始める。
が、およそ二畳程の狭い房の清掃に、それ程時間がかかる筈も無く、同じ場所を何度も何度も雑巾で擦った。
まるで俺の身体を穢したアイツの痕跡を拭き取るように…何度も何度も…
でも、それは簡単に拭い去れるものでもなく、日が暮れると同時に襲い来る恐怖に俺の身体は震えた。
夕食を載せたトレーにすら、不信感を覚えた。
また薬を盛られてたら…
またアイツが来たら…
そう考えただけで気が狂いそうだった。
そんな俺を尻目に、何事もない夜が続き、独房で過ごす最後の夜…
アイツは再び俺の前に姿を現した。
なんの予告もなく…
アイツが俺の前に…