第18章 Fallen Ⅱ
分からないことばかりだ…。
俺がどうしてここにいるのかも、この動かない足も…
声を無くすほどの精神的ショックって…?
どうして皆一様に口を閉ざす?
分からない…
一体何があった?
俺は雨粒が打ち付け始めた窓に視線を向けた。
まだ昼間だというのに、まるで夜のように暗い空。
なぁ、翔?
お前は知っているのか?
俺に何があったのか…
なぁ、教えてくれよ、翔…
それから二日後のことだった。
俺は思いがけずして全てを知った。
いや、違うな…
徐々に、ではあるけど、失われたと思っていた記憶が蘇って来た、と言った方が正しいのかもしれない。
俺がどうしてここにいるのかも…
どうしてこの足が思うよう動かせないのか…
声が出せなくなるほど俺を追い詰めたものが何だったのか…
そう、全ての理由を…
勿論、その理由を知ったところで、俺の足が自由になることも…
声を取り戻せるわけではない。
でも何も知らずに、一人悶々とした思いを抱えているよりは、ずっとマシだ…
そう思っていた。
「アイツも馬鹿だよな? わざわざ自分で命絶つことないのにな…? ほんと、馬鹿だよ…」
きっと何の気なしに言った言葉なんだ、と思う…
でもそれを聞くまでは、少なくとも、俺はそう思っていたんだ。