• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第18章 Fallen Ⅱ


マサキが自殺した…

その事実が、俺を更に深い闇に落とした。

全てのことの発端が、俺にあると、そう思ったから…

俺が結と出会わなければ…

俺が世間の目を欺いてまで、翔との関係を続けようと思わなければ…

俺が…

俺がマサキを狂気に走らせるまでに追い詰めたんだ…

俺がこの世に存在しなければ、マサキだって自ら死を選ぶことはなかったのに…

俺が、俺が、俺が、俺が!、

マサキを殺した…


俺は自分を責め続けた。

食事を摂ることを止め、強制的でない限り眠ることも、泣くことすら辞めた。

だって俺にはそんな資格、ないから…

生きてる資格なんてない…

マサキの抱えていた苦しみに比べれば、そんなのは苦しみでもなんでもなかった。

日に日に弱っていく俺を案じたのか、井ノ原や長野、それに長瀬さんや侑李も時折俺の病室に訪れた。

『お前のせいじゃな』

誰もが口を揃えて言った。

事実そうなのかもしれない。

でもマサキを死に追いやったのには、俺にも何らかの原因があった筈だ。

マサキをそこまで追い詰めたのが、俺であることは紛れもない事実なんだ。

どうして誰も俺を責めようとしない?

お前のせいだ…

そう口汚く罵ってくれた方が、よっぽど楽なのに…


それなのにお前は言ったんだ…

俺のために闘う、と…



『Fallen Ⅱ』完
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp