第18章 Fallen Ⅱ
マサキが自殺した…
その事実が、俺を更に深い闇に落とした。
全てのことの発端が、俺にあると、そう思ったから…
俺が結と出会わなければ…
俺が世間の目を欺いてまで、翔との関係を続けようと思わなければ…
俺が…
俺がマサキを狂気に走らせるまでに追い詰めたんだ…
俺がこの世に存在しなければ、マサキだって自ら死を選ぶことはなかったのに…
俺が、俺が、俺が、俺が!、
マサキを殺した…
俺は自分を責め続けた。
食事を摂ることを止め、強制的でない限り眠ることも、泣くことすら辞めた。
だって俺にはそんな資格、ないから…
生きてる資格なんてない…
マサキの抱えていた苦しみに比べれば、そんなのは苦しみでもなんでもなかった。
日に日に弱っていく俺を案じたのか、井ノ原や長野、それに長瀬さんや侑李も時折俺の病室に訪れた。
『お前のせいじゃな』
誰もが口を揃えて言った。
事実そうなのかもしれない。
でもマサキを死に追いやったのには、俺にも何らかの原因があった筈だ。
マサキをそこまで追い詰めたのが、俺であることは紛れもない事実なんだ。
どうして誰も俺を責めようとしない?
お前のせいだ…
そう口汚く罵ってくれた方が、よっぽど楽なのに…
それなのにお前は言ったんだ…
俺のために闘う、と…
『Fallen Ⅱ』完