第14章 Dilemma
後ろ手に拘束されていた両手が解放され、自由になった両手が今度は前に回される。
両手で冷たい鉄格子を抱く格好にさせられ、再び両手首が括り付けられた。
濡れた下着ごとズボンをずり下されると、俺の意思とは反して硬く張り詰めた中心が、通路の薄明りの下に晒された。
「出してぇか?」
耳元で熱い吐息を交えながら坂本が囁く。
俺はそれに無言で何度も頷く。
誰でもいい…
この下半身に溜まった熱を解放してくれるなら、誰でもいい…
俺の背中にピッタリと身体を密着させた坂本の手が前に回り、武骨な指が俺の胸の先を引き摘まんだ。
瞬間、俺の身体に電流のように痺れが走った。
「あっ…、あぁぁっっっ…!」
俺の中心は触れられることなく、呆気なく欲を吐き出した。
それなのに…
「クククッ…、お前はやっぱりどうしようもない淫乱野郎だぜ…。なぁ、松本…?」
「てめぇ、っざけんなよ?」
霞んだ視界の向こうで、松本が悔しそうに唇を噛んだ。
見ないで…
こんな俺を…見るな…!
坂本の手が俺の中心を握り込んだ。
尖端から留まることなく溢れ出す蜜をその指に絡めながら、乱暴に扱かれれば、吐き出したばかりのそこはまた頭を持ち上げる。
何度も襲い来る射精感を止めることなんて、出来なかった。