• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第14章 Dilemma


カツーンカツーン…

聞き覚えのある足音は、俺のすぐ近くでピタリと止まった。

ガシャンと鉄格子の鍵が開けられる。

「良く効いてるみたいだな?」

声と同時に頬を冷たい指先がスッと撫でられる。

「…おまっ…なん…で…」

霞んだ視界の中に見えたのは、頭からすっぽり覆面を被った男。

顏なんて見なくても分かる…
坂本だ…!

「なんでかって? 決まってるだろ? お前の身体が忘れらんねぇからだよ」

丸めた身体が強引に押し開かれ、ボタンがゆっくりと外されていく。

「やめろ…やめてくれ…」

抵抗しようにも強い力で抑え込まれた両腕では、それすらも叶わない。

「止めてやってもいいんだぞ? でもここで止めたら、苦しいのはお前なんじゃないのか?」

シャツのボタンが全て外され、上半身が外気に晒される。

不思議と寒さを感じないのは、全身を襲う火照りからなのだろうか…

上体を引き起こされ、両手を後ろ手に回されると、そのままタオルのような物で拘束された。

「外せよ…なぁ、これ外せってば…」

到底受け入れてくれる筈のない願いを訴えるのは、何も怯えからなんかじゃない…吐き出しては中心に集まって来る熱を何とかしたかったからだ。
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp