第13章 Invariable
カーテン越しに差し込む日差しが眩しくて、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
覚醒しきらない視界で辺りを見回す。
視界に飛び込んできたのは、テーブルの上に並べられた空になった無数のビールの缶。
どんだけ飲んだんだよ…
不意に持ち上げた頭にズキンと痛みが走る。
「痛って…」
ズキズキと疼くように痛む頭を抱えながら、昨夜のことを記憶を巡らす。
岡田…?
辺りを見回すが、岡田の姿はない。
代わりにあったのは、テーブルの上に置かれた小さなメモ用紙。
慌てて飛び起きた俺の肩からスルリと滑り落ちるブランケット。
「嘘…だろ…?」
服はおろか、下着すらも着けていない自分に若干の焦りを感じつつも、俄かには信じ難い現状を振り払おうとするが、未だかつて感じたことのない身体の痛みが、これは夢なんかではなく、現実であることを俺に知らしめる。
俺はテーブルの上のメモを手に取った。
『昨日のことは忘れてくれて構わない。休み明け事務所で…』
岡田らしい、なんともぶっきらぼうな文章に、自然に笑いが込み上げる。
「…んだよ、コレ…。超勝手じゃん…」
俺はメモをクシャッと丸めると、ゴミ箱に向かって放り投げた。