• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第13章 Invariable


カーテン越しに差し込む日差しが眩しくて、ゆっくりと瞼を持ち上げる。

覚醒しきらない視界で辺りを見回す。

視界に飛び込んできたのは、テーブルの上に並べられた空になった無数のビールの缶。

どんだけ飲んだんだよ…

不意に持ち上げた頭にズキンと痛みが走る。

「痛って…」

ズキズキと疼くように痛む頭を抱えながら、昨夜のことを記憶を巡らす。

岡田…?

辺りを見回すが、岡田の姿はない。

代わりにあったのは、テーブルの上に置かれた小さなメモ用紙。

慌てて飛び起きた俺の肩からスルリと滑り落ちるブランケット。

「嘘…だろ…?」

服はおろか、下着すらも着けていない自分に若干の焦りを感じつつも、俄かには信じ難い現状を振り払おうとするが、未だかつて感じたことのない身体の痛みが、これは夢なんかではなく、現実であることを俺に知らしめる。

俺はテーブルの上のメモを手に取った。

『昨日のことは忘れてくれて構わない。休み明け事務所で…』

岡田らしい、なんともぶっきらぼうな文章に、自然に笑いが込み上げる。

「…んだよ、コレ…。超勝手じゃん…」

俺はメモをクシャッと丸めると、ゴミ箱に向かって放り投げた。
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp