第2章 Crime
警察署に連行された俺は、驚愕の事実に自分の耳を疑い、愕然とした。
結が殺された…?
誰に…?
と、言うよりは“何故?“の方が強かった。
結が殺されなきゃいけない理由なんて、俺には到底想像も出来なかったから…
そして見せられた現場の写真。
そのどれもが目を覆いたくなるものばかりで…
「う…ぇっ…!」
腹の底から込み上げてくる吐き気を抑えるだけで精一杯だった。
一体誰がこんな酷いことを…
屈託なく笑う結の顔はどす黒い血に塗れ、印象的だった大きな瞳は、余程恐ろしい思いをしたんだろうね、恐怖に見開かれていた。
「お前が殺ったんだよな? 大野…」
は?
何言ってんの、コイツ…
「俺が? なんで?」
ムカムカする…
「吐いちまえよ? そしたら楽になるぞ?」
コイツの“目”だ…
コイツの蛇のような“目”が…気持ち悪い…
「俺は何も知らない」
「証拠は上がってんだよね、色々とな?」
「だから知らねぇって…」
「付き合ってたんだろ? 彼女と…」
確かに表向きはそうだったかもしれない。
でも…
「だからってなんで俺がこんなことを?」
そう…
結を殺さなきゃいけない理由なんて、俺にはこれっぽっちもない。
ましてやレイプするなんてこと、出来る筈がない。
女相手には勃たないんだから…