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Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第12章 Reunion


目の前で何度も頷いて見せる侑李に、俺は長瀬さんに侑李を託したことに、間違いがなかったことに安堵する。

たまたま同じ現場で知り合っただけの俺に、長瀬さんは親身になって話を聞いてくれた。

もともと職人気質の長瀬さんは、二つ返事で侑李のことを引き受けてくれた。

わざわざ保護司の資格までとって…

「長瀬さんは優しくしてくれるか?」

「うん。たまに怒られたりもするけど…優しくしてくれてる」

鼻を啜りながら、侑李が涙に濡れた顔に笑顔を浮かべた。

「そっか…。良かったな?」

「兄ちゃんのお陰だよ? それより…」

侑李が身を乗り出す。

「先月だったかな? 僕、あの人に会ったよ?」

あの人…?

侑李が誰のことを言っているのか、俺にはすぐに分かった。

でも、どうして…?

侑李と俺の関係については、詳しく話したことなんてなかったのに…

「素敵な人だね? 兄ちゃんがあの人を好きになったの、僕少しだけ分かった気がするよ」

翔…
どうして…?

「あの人ね…櫻井さん、だっけ? 腕時計、してたよ?」

腕時計…?

まさか…な…

だって俺はアイツに…

「青い腕時計、兄ちゃんがあの人の為に選んだんでしょ?」

翔があの腕時計を?

あの時渡せなかった、あの時計を、翔が…?
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