第12章 Reunion
収監されてから2か月が過ぎようとしていた頃、俺と松本は揃って刑務官から”面会”だと言って呼び出された。
二人で並んで面会室までの廊下を歩きながら、俺は何故か込み上げてくる笑いを堪えきれずにいた。
「お前、何笑ってんだ…」
松本の顔を見ては笑う俺を、訝しむかのように、松本が小声で苦情を言う。
「いや、俺面会って初めてだから、緊張してたんだけど、お前と一緒って分かった瞬間、緊張も吹っ飛んでったわ」
「なんだそれ? 馬鹿じゃねぇの…」
そうかもな…?
俺達の前後を挟むように歩く刑務官よりも、隣を歩く松本の存在に安心感を覚えてる俺は、馬鹿なのかもしれないな。
面会室の前に立つと、俺達は隣り合ったドアをそれぞれに潜った。
手錠を外され、促されるまま透明なアクリル製の窓を前に、パイプ椅子に腰を降ろす。
窓の向こうには、少しだけ大人になった侑李が座っていた。
「智兄ちゃん…」
侑李の瞳から涙が溢れ出す。
「お前、泣くなって…」
「だって…」
涙でその後の言葉が続かないのか、言いかけては深呼吸繰り返す。
「一人で来たのか?」
侑李が腕で頬を拭いながら、首を横に振る。
「長瀬さ…と…」
「そっか…、良くして貰ってんだな?」
ずっと気になっていた。
侑李がどうしているのか…