• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第11章 State


「お前には関係のないことだ。さっさと行け」

忌々し気な口調で言い付けると、二宮が肩を竦めて見せた。

そして再びワゴンを押した。

けど、数歩進んだ所でピタリと足を止め、俺達を振り返った。

「ソイツ早く返して下さいね? 点呼間に合わないと、私らおあずけ食らっちまいますから」

二宮が唇の端を少しだけ上げ、ニヤリと笑う。

「あぁ、それと…」

「なんだ…」

「ソイツあんま虐めないでくださいね? 私らの大事な玩具なんですから」

二宮がククッと喉を鳴らして笑う

「…相変わらずあざとい奴だ…」

一つ舌打ちをした坂本が、俺の肩を掴み壁に押し付けた。

そして俺の肩口に顔を寄せると、耳元に低く囁いた。

「今日の所はとんだ邪魔も入ったことだし、これくらいにしといてやるよ。だがな次は覚悟しとけよ? 存分に楽しませて貰うからな? …独房でな?」

肩を壁に押し付ける手に力が込められる。

「は、放して下さい…」

俺の顔が苦痛に歪むのを、まるで楽しんでいるかのように坂本の顔に笑が浮かぶ。

その時、夕食の時刻を知らせるチャイムが雑居棟に響いた。

「ま、それまではせいぜい楽しむんだな、アイツとの時間をな?」

マサキのことを言っているのか…?

一体コイツはどこまで俺のことを知っている…?
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp