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Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第2章 Crime


18を過ぎると、それまでアルバイトとして勤務していた会社に、正社員としての登用が決まった。

給料も上がり、俺は会社の寮を出て一人暮らしを始めた。

その方が時間も自由になるし、何より翔とも気兼ねすることなく会えると思ったからだ。

でもそんなのは、俺の勝手な思い込みで…

翔も大学へ進学すると同時に親元を離れ、バイトを続けながら弁護士になるべく勉強漬けの日々を送っていた。

翔と一緒に過ごす時間なんて、ほんの僅かしかなかった。

それでもお互い聯絡だけは絶やさず、時折訪れる暇を見つけては身体を重ね合った。



そんなある日、先輩から誘われた飲み会で、俺は彼女と出会った。

伊藤結…

屈託なく笑う彼女が、俺は嫌いじゃなかった。

だから、結と付き合ってみないか、と先輩に言われた時も、俺は迷うことなくOKの返事をした。

翔のことが気にならない訳ではなかった。

翔のことは誰よりも大切にしていたし、愛してもいた。

でも、俺達は所詮“男同志”。
障害しかないこの関係を続けていくには、少なくともカモフラージュは必要だった。

何も知らずに、ただ俺に好意を寄せて来る結を利用したんだ。

世間の目を欺くために。

俺と結の関係は、翔が弁護士資格をとつてからも続いた。



そして事件は起きた…
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