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Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第9章 Deja vu


悲鳴を上げそうになる口を手で塞ぐが、止めどなく零れ落ちる涙が止めようもないまま、幾筋も頬を濡らす。

「も…やめて…くれ…ひっ…ぁっ…!」

俺の声など松本の耳には届いていないのか、荒い呼吸を繰り返しながら、松本が腰を送り続ける。

「なぁ、気持ちイイんだろ? ほら、もっといい声で啼けよ…」

松本の手が俺の前に回り、無気力に垂れ下がった俺の中心を握り込む。

擦り上げるように乱暴に手を動かすが、そこは何の反応も示す筈もなく…

チッ、っと舌打ちをすると、俺の片足を持ち上げ、更に奥深くを目掛けて強く突き上げられる。

当たり前だ。
痛みしか感じない行為に、勃つ筈がない…

早く終わってくれ…

ただそれだけを、痛みに薄れる意識の中で願い続ける。

「啼けよ…、おら、啼きやがれっ…!」

「うぁっ…、はっ…くっ…」

揺れる身体を支えようと、必死で壁に縋る指先から零れた滴が指を赤く染めた。

「俺なぁ…血ぃ見るとゾクゾクするんだわ…」

松本が低く呻き、同時に俺の体内に注ぎ込まれる、熱い迸り。

抱えられていた足が解放され、ありったけの欲を吐き出した塊が俺の身体から抜け出ると、支えを無くした俺の身体はずるずると崩れ、冷たいコンクリートにへたり込んだ。
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