第7章 灰羽リエーフの1日。
side美優
料理の最終確認をしていたらいつの間にかすごい時間。
急いでメッセージを打ち、リエーフに今から出ることを伝える。
どうしよう!服きめてない!
クローゼットを開け、スカートを出す。
秋らしいボルドーの花柄スカート。
レースのタンクトップに白のオフショルダーのニット。
タイツタイツ…
こういう時にサイハイソックスしか出てこない!
ガーターベルト!あった!
ガーターベルト装着!
サイハイソックスを履いて首にストールを巻いてお揃いのボディバッグを背負い、玄関に走る。
あ!ちょっと待って!
火の元確認!
戸締り確認!
よしOK!
玄関にあったパンプスに足を通して私は急いで玄関を出た。
ーーーーーー
電車を降りて改札を出る。
リエーフは…
いた。
やっぱりリエーフは目立つ。
モデルさんみたいだもん。
そんなリエーフに向かってヒールをかつかつ鳴らしながら近づく。
途中で私に気づいたようで、こちらを見て笑顔で見つめ手を振るリエーフ。
「美優さーん?」
『ごめん…準備してたらいつの間にか時間経ってて…』
あ、
違う違う。
リエーフの前に立てばリエーフは不思議そうに首をかしげる。
私はリエーフの袖をきゅっと握ると私のずーっと上にいるリエーフを見た。
『ごめんね?待った?』
リエーフのお願いその1。
それをふと思い出し口にする。
お?リエーフのほっぺが赤いぞ?
りんごみたいなほっぺを緩ませたリエーフはふわり笑って、私に答えた。
「ううん!俺も今来たところ!」