第7章 灰羽リエーフの1日。
AM11:06
待ち合わせの駅に着いた時、スマホがぶるりと震えた。
メッセージアプリを開けば…美優さん。
美優:ごめんね?今から出るね?
それを見て俺はすかさずメッセージを返した。
灰羽:ゆっくりでいーよ?気をつけてきてね?
既読がついたことを確認し、スマホをホーム画面に戻す。
さて、今日はどこに行こうか。
検索画面に駅名を入れればデートスポットが並ぶ。
んー…デートスポット…
それよりも…
検索窓を打ち直し、タップ。
多分デートスポットよりこっちの方が美優さんは好きかもしれない。
地図で行き先を調べ、スマホをポケットにしまう。
やっぱり寒くなってきたな。
冬が近づいてきたことを知らせる空気が俺の手を冷やしていく。
早く来ないかな。
ワクワクが止まらない。