第32章 灰羽リエーフの数日〜2025.birthday〜
side灰羽
可愛らしい下着は剥ぎ取りお互いの肌を合わせれば、体の熱が絡まり混ざってしまうような感覚。
いつも以上に熱に浮かされたように触れて求め合う。
可愛らしく啼く声すらも飲み込むように口付けると、その刺激で美優さんの体が大きく跳ねた。
荒い息を吐き快感に耐える姿を見ながら、サイドテーブルに置いたミネラルウォーターを口に含むと美優さんと鼻先をすり合わせる。
それに気づくと、美優さんは唇を重ねそのまま合わせ目に舌を這わせる。その舌を軽く食み、そっと口内の液体を流し込めば、こく、と喉が嚥下をした。
「美優さん、まだ挿れてないけどもう少し大丈夫?」
汗で乱れた髪を分けてやれば、項に手が伸びそのまま引き寄せられる。
『わたしだけ…なの、いや、だから…』
唇を啄み、頬、鼻先、と唇が辿る。
そして額をすり合わせると、俺だけに聞こえる吐息でお願いをした。
して?
呟かれた言葉に答えるように口付ける。そして体を離そうとするが項に周る腕がほどけない。
「美優さん?」
このままじゃあ避妊具が付けられない。
それに、離れるどころかさらに顔を寄せられてしまう。
「美優さん?ゴムつけたいんだけど…」
長い沈黙。
どこか痛いのだろうか。
それとも休憩がしたいのか。
それすらもわからずに困惑する俺をさらに抱きとめた美優さんは、小さな小さな声で、いらない、と答えた。
いらない
何が、と言うには野暮すぎる。
項の腕を優しく解き顔を見れば、可愛らしい真赤な顔。
視線が合うと可愛らしく潤む瞳を伏せたあと、再びこちらを向いた。
『さっき…りえーふの言葉に頷いたこと、嘘だって思われたくないの…私の全部りえーふのものにして…?』
「いい、んですか…?」
俺の言葉に頷き足を開く美優さん。
俺の指や舌で濡れたそこは薄暗闇の中でてらりと光る。
『ね、はやく。』
誘うように開いた足の片方を俺に伸ばし、勃ち上がる中心を指で撫でる。
そんなことをされてしまえば我慢なんてできない。
伸びた足を持ち上げ左右に開かせながら膝裏を押し上げる。恥ずかしそうにきゅっと入口が閉まれば、蜜がとろりと溢れ出し俺を誘う。
「美優さん、挿れるね。」
俺は何もまとわないまま、ゆっくりと美優さんの中へと這入っていった。