第28章 いつまでも輝く君でいて〜if〜
「俺と手、繋いでてくださいね。何があってもフォローしますから。」
いつの間にか震えていた手をぎゅっと握られる。
顔を上げれば、リエーフの瞳がキラキラと輝いている。
『リエーフは緊張、しないの?』
ぽつり、と溢れた言葉。それにリエーフは微笑み首を横に振る。
「それよりも期待が強い!」
音楽が変わったと同時、リエーフが私の腕を引っ張った。
途端に向けられるたくさんの視線と光。
怖い。
でも、リエーフの手が暖かくて、恐怖心を追い越していく。
「腕、掴んでください。」
腰に当てたリエーフの腕を掴めば、リエーフはゆっくり歩く。それに合わせて歩き、時折リエーフに視線を向けると横からリエーフが微笑んでくれる。
長くてあっという間なランウェイを2人で歩けば、リエーフは地面に膝をつきポケットから何かを取り出した。
「これ、今指に嵌めてもいいですか。」
リエーフの手の中にあったのは、キラキラと輝く永遠の証。
さっき必死に留めた涙が溢れる。
出せない言葉の代わりに左手を差し出すと、キラキラの指輪が薬指にはめられた。
途端に会場に広がる拍手。
嬉しさと溢れる涙でその場から動けなくなってしまった私をリエーフは抱き上げると、そのままランウェイを戻る。会場の拍手に包まれたまま、私は最初で最後のステージを後にした。