第28章 いつまでも輝く君でいて〜if〜
「美優さーん、泣き止んでくださいよー。」
ステージから去った私たちは先程メイクをされた席に戻ってきた。
が、涙腺が崩壊し涙が止まらない。
ちなみに千景もアリサさんも次のステージの準備に取り掛かっているため一応2人きり。
『りえ、ふ。これ、いつから…』
多分、私以外は知っていた。じゃあどのタイミングで決まったのだろう。それを問えば、私がチケットをもらった時からすでに決まっていたとのこと。入念な準備がされていたんだなと思わずため息をついた。
「企画として話をしたら盛り上がりそうだからってOK出ちゃいました。」
出ちゃいましたじゃないのよ。流石にサプライズが過ぎる。
やっと落ち着いてきた涙をティッシュで拭っていると、リエーフの手が頬に伸び、真っ赤になってしまった目の端を柔く撫でる。
「仕事に引っ張り込んだこと、悪いって思ってます。でも、気持ちに嘘はないです。はめた指輪も小道具じゃなくて俺がちゃんと買ったものです。…さっき返事もらえなかったから聞きたいって言ってもいいですか。」
私だけに向けられた柔らかな微笑みと手を握る優しさに再び滲む涙。
周りはいまだに続くショーのざわめきが続いている。それでもちゃんと返事がしたくて、もう一度涙を拭うと私は唇を開いた。
『よろしく、お願いします』と。
end