第28章 いつまでも輝く君でいて〜if〜
1回目のステージが終わるとホールから出る。リエーフの2回目までは少し時間があるからロビーで待つことにすれば、急な着信。いつもは後ほど連絡を返すけれど、画面に出た名前がアリサさんだったからすぐに電話を取った。
『もしもし、アリサさん?』
「美優ちゃん、今どこ?」
『次の時間、リエーフ出ないって言ってたのでロビーに移動しましたけど…』
「ロビーね?今緊急事態でね、レーヴォチカが…詳しい話はあとでするからとにかく指定する場所に来てくれない?美優ちゃんのこと迎えにいくから。」
リエーフに何かがあったかもしれない。
すう、と冷える汗。
電話を切ればアリサさんから地図が送られてくる。他のお客さんの合間を縫って指定の場所に急いで向かう。不安でいっぱいになりながら到着すれば、そこには知った顔。
『千景⁈』
突然の友達の登場に驚き動きを止めた足。それを見た千景は私の手を取り引っ張っていく。
「驚くのはあと。ID首からぶら下げて。とりあえずこっち。」
なぜ千景がいるのか、リエーフがどうしたのかなど、聞きたいことはたくさんある。しかし、何も語られないまま私はたくさんの人が行き交うバックステージに通され、椅子に座らされた。