第28章 いつまでも輝く君でいて〜if〜
朝食を作ればすぐにリエーフを起こしに行く。
遅くまで頑張ってきたリエーフを起こしたくはない。でも、今日も仕事。
『リエーフ、朝だよ。今日9時までには家出るんでしょ?』
優しく肩をゆするけれど、リエーフは眉間に皺を寄せて布団に再び潜り込む。んん…どうしたら起きるかな。
ひとしきり起こし方を悩んだ結果、耳元に唇を近づける。
『今日の朝ごはんはもち麦ごはんに野菜たっぷりのコンソメスープ、メインはささみとブロッコリーと卵の中華炒めだよ。食べないなら全部食べちゃうからね。』
耳元で囁きおまけに頬に唇を落とすと、眠そうな体はゆっくりと起きる。
寝癖がついた髪に伸びかけた髭。眠たそうにいまだに閉じた瞳に苦笑しながら頭を撫でれば、急に伸びてきた腕に強く抱きしめられる。
「ん…美優さんおはよ…」
『おはよう。朝ごはんできてるよ?シャワー浴びる?それともごはん食べる?』
「もう少しぎゅーしたい…」
眠気で甘えて駄々をこねるリエーフも可愛いけれど、仕事に間に合わなくなってしまう。心を鬼にすると、両手で頬を包んだ。
『だーめ。顔洗うかシャワー浴びた後にごはん食べて、出かける準備して、それでも時間あったらいっぱいぎゅーしよ?』
「ん……わかった。」
不服そうな顔をしながらも、抱きしめる力を弱めたリエーフは唇に柔く口づけを落とすと、ゆっくりと顔を洗いに向かった。
リエーフが動き出したなら急がなければ。私はキッチンに戻ると作ったごはんを温め、食卓に並べてリエーフを待った。
久しぶりの一緒のご飯、嬉しいな。