第28章 いつまでも輝く君でいて〜if〜
寂しさを押し殺して眠った次の日の朝。目が覚めれば背中が暖かい。
いつの間に帰ってきたのだろう。リエーフが私を抱きしめ眠っていた。
無防備に眠っている顔すら愛おしい。
体の向きを変え眠っているリエーフを起こさないように鼻先に口付けると、そっと腕から抜け出し、朝食を作るためにキッチンに向かった。
『よかった。今日は食べたんだ。』
なかなか会えないリエーフのために作り置きをして、夜に冷蔵庫に入れておいたお弁当。夜中に帰ってきた際に食べたのだろう。疲れているんだから無理しなくていいのに、タッパーも箸も綺麗に洗って水切りかごに置いてある。
その心遣いだけで嬉しくなって、じわりと目元に涙が浮かぶ。
いけない。泣いている暇はない。
目元を擦り、スマホを確認。共有したカレンダーアプリを確認すると、リエーフは10時にはスタジオ入りになっているから9時には家を出なければいけない。朝ごはんを食べるなら遅くても8時には起こさなければ。
私はすぐに朝食作りに取り掛かった。