第27章 灰羽リエーフの1日 2019
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ふと、目を覚ます。
瞼が重たくて
隣で眠るリエーフを見て
泣きじゃくったことを思い出した。
リエーフは"支え"だ。
私の心を支える最後の支え。
いなくなってしまったらきっと私はポッキリ折れてしまう。
泣き叫ぶつもりはなかった。
居なくならないでと願うつもりもなかった。
「ごめんなさい。」
誕生日にこんな思いをさせて。
「ごめんなさい。」
貴方の人生を捕まえてしまって。
「ごめんなさい。」
好きで、たくさん愛して。
「美優さん。」
声がした。
リエーフの声が。
眠っていたはずのリエーフの目が開いている。
宝石のような緑の瞳が私を見てる。
「あ、りえ。」
「大丈夫。俺はここにいます。」
体を起こしたリエーフが私をやさしく抱きしめる。
枯れたと思った涙が溢れる。
「リエーフ。ずっと、一緒にいて?」
私のこれは束縛。
リエーフを一生縛ってしまう言葉。
「はい。喧嘩したって、俺は美優さんが好きです。嫌いになんてなれません。」
それにリエーフはいとも簡単にYESと答える。
私より大人なリエーフは私をいとも簡単に包んでくれる。
貴方に、つりあう人になりたいから
もう少し、待ってて欲しいの。
「リエーフ、誕生日おめでとう。」
そう声を届け、強く抱きしめれば
冷えていた心に明かりが灯る。
大好きだよ。
リエーフ。
そうリエーフに伝えて、私は再び眠りについたのであった。
→(AM6:00ごろラスト更新予定です。)