第27章 灰羽リエーフの1日 2019
「もしもしっ!」
相手も見ずに通話にし耳に当てれば罵倒の声。
「朝からうるっせえリエーフ!もう少し静かに出ろ!」
「あ、黒尾さんっすか…」
「あからさまにテンション下げんな!おまえが今すごく欲しい美優の情報くれてやろうとしたんだけど…いらないんだな?」
「っ!欲しいっす!!」
スマホを改めて耳に当てれば黒尾さんはククッと笑う。
「じゃあ伝言な?リエーフか高校2年の冬のクリスマス、私を見つけてくれたのは?開くまではじっと待ってて、だとよ。」
クリスマス…ってことはたぶんあそこ、と予想を立てていれば黒尾さんから追加の一声。
「靴は革靴…まあパーティ仕様でな?服はなんでもいい。」
は?どういうことかと相手に問えば、質問が届く前に通話が切れた。
俺の知らないところで何が起こってるんだ…?