第27章 灰羽リエーフの1日 2019
電話が切れてから数十分経った頃、家のチャイムが鳴った。
鍵を開ければ入ってきたのはやっぱりさっきの電話の3人で、お邪魔しますと挨拶をすると中に入ってきた。
「みんな、久し振り。」
「おう久し振り。お邪魔するぜ、美優。」
「久し振り、急にごめんな?」
「ううん、大丈夫だよ。どうぞ。」
3人をリビングに促し飲み物を持ってこようとすれば、私にクロが声をかけた。
「美優、飲みモンとか色々買ってきてあるから。あと、莉奈も含めて相談があってさ。」
みんなを案内したサイドボードの周辺に私も座れば、クロが飲み物を配りながら話を始めた。
「そろそろバレー部の同窓会を開こうかなんて話してたんだ。俺達の学年から下の奴らな?
そんでいつにするかななんて話してたタイミングで電話なったから美優ん家に場所移して話するかってなってさ。でも電話越しよりはいいだろ?」
ノンアルビールやアルコール、ジュースなど色とりどりの飲み物の中から適当に選んだミルクティ。
一口口に含めば、やっくんが笑いながら私に話をふる。
「でさ、リエーフの誕生日にしようと思ってさ。同窓会の日にち。」
「え?いいの?リエーフ喜ぶ「あ、ちょっと待て美優。」
止められた言葉と3人の含んだ笑い。
あ、これは何かあるなと口を紡ぐとさらりと海くんが言葉を発した。
「リエーフにだけ当日に発表にしようと思って。サプライズでさ。」
……へ?
サプライズ、ですか。
「だから美優はばれないように過ごせよ?」
リエーフの誕生日にOB、OG会。
でもリエーフには内緒、サプライズ。
「それ、楽しそう。」
「だろ?」
にやり、と笑ったその場のみんな。
そのまま計画を練ったのはいうまでもないのだけれど…
これがこんな結果になるとは思わなくて…