第26章 そうだ、旅行に行こう。 番外編 R18
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次の日、美優さんはセックスをした事を覚えていなかった。
でも体に違和感はあるらしく、不思議そうな顔。
でもそれを聞いてきたのは、パークから帰宅中の車の中。
日も暮れて暗くなってきた車内。
手を重ねている美優さんが、小さな声で訪ねてきた。
『ねえリエーフ。昨日、えっち…したよね?』
「してないですよ?」
意地悪でそう言えば、美優さんがこちらを勢いよく見る。
『嘘っ!だって…』
言葉を紡ごうとした美優さん。
でもはっとした顔をして下を向く。
まっすぐ帰るはずだったけれど急遽変更。
近くにあったコンビニに車を止めると俺は美優さんの手を握り問うた。
「だって…何ですか?」
『…え?』
「理由がないと"だって"なんて言えませんよね?」
にかり、笑えば美優さんは顔を真っ赤にさせて体を引いた。
しかし狭い車内ではすぐに行き止まりになる。
俺はシートベルトを取ると助手席に体を伸ばし美優さんを追い詰めていく。
『ま、って?ここ明るい。』
「美優さんが言えばすぐ終わりますよ?」
光の入るフロントガラスの側の手をのばし、頬に触れる。
ぴくりと体を跳ねさせた美優さんは小さく息を吐く。
『だ、て…使った、ごむ、いっぱい落ちてた…』
「それだけですか?」
美優さんは眉を下げ上目遣いで俺を見るけれど俺はにこりと笑う。
『あと…おなか…違和感が…』
「お腹だけ?」
かああと頬がさらに真っ赤に染まっていく美優さん。
可愛くて、困って少しだけ尖って美優さんの唇に軽くキスを落とす。
『ちが、う。入り口、とか……くり…とりすっ…とかっ…変…』
自分の両手で顔を隠した美優さんは泣きそうな顔でこちらを見る。
よく言えました。
そんな意味を込めて、俺は美優さんの顔をガードしている手に口付けると、運転席に戻った。