第5章 俺だけみてて。 R18
家に帰るまで、リエーフの携帯が繋がることはなかった。
さっき飲んだお酒の酔いが回り始めた頃、私は家にたどり着いた。
ドアは開いている…
『ただいま…リエーフ?』
パンプスを脱ぎ、廊下を歩く。
リビングの扉を開けると、ぐいと中に引き込まれ、ドア横の壁に背中を叩きつけられた。
『っ…リエーフ?』
「弟って何。」
『リエーフ…』
「俺、美優さんの彼氏じゃないんですか?」
リエーフの伸びた前髪が顔を隠していて表情が見えない。
「飲み会って言って他の男と会ってたんですか?」
『違う…』
「違わないじゃないですか!」
ばんっ!
顔の横に叩きつけられる拳。
「俺、周りに紹介できないような彼氏ですか?俺といるの嫌ですか?」
『話…聞いて「聞きたくない!」
そういうとリエーフはしゃがみこむと私を担いで歩き出す。
『ゃっ…リエーフ…下ろして…』
「嫌です。」
ぎゅっとリエーフの背中に捕まっているとどさりとベッドに降ろされる。
目を隠される瞬間、髪の毛の隙間から覗いたリエーフの瞳は、鋭く冷たかった。