第25章 そうだ、旅行に行こう。〜2019.8/18〜8/19〜
『はぁぁぁぁぁぁぁぁ…』
長い長いため息。
あの後部屋のドア付近で1回、繋がったままベッドに移って2回、セックスをした。
「美優さんだって気持ちよかったくせに。」
『気持ちよかった…けど…』
明日からが本番なのに、初っ端から体力使ってどうするのよ…
布団から抜け出すと、まだパッキングされたままのカバンを開きシートタイプのメイク落としを取り出すとメイクを落とし始める。
それを見たリエーフはベッドから抜け出すと近くに落ちていた下着を履き洗面所の方へと歩いていった。
数分して戻ってきたリエーフの手にはホカホカのタオル。
「蒸しタオルにはできなかったけどあったかいタオルですよ?」
どうぞと渡されたタオルを顔に被せるとじんわり染み渡る温かさ。
『ふわぁ…気持ちいい…』
「これやるってことはお風呂は明日ですね?」
『うん。もう眠い。』
少しぬるくなったタオルを外せば、いつの間に取り出したのだろう、私のキャリーケースに入れていた化粧水を出してくれている。
『リエーフ…』
「あれ?次これですよね?」
いつの間にかリエーフが私のメイクを落とす時の工程を覚えたらしくいつからか先回りしてくれているのが純粋にすごいし、なんかもう…
『執事みたい…』
「何か言いました?」
『なんでもない。』
手に出したオールインワンの化粧水を顔に塗りこむと、私はそのままベッドに倒れこむ。
『明日に備えて先に寝るね?』
何も着ずに布団を手繰り寄せると、トイレに行っていたリエーフが布団に潜り込み背中にぺたりと張りつきはいと腕を伸ばしてくる。
筋肉質の二の腕に頭を乗せればリエーフはそのままぎゅうと抱きしめてくる。
慣れ親しんだリエーフの体温と甘く低いリエーフのおやすみにほっとした私は、いつの間にか瞼を閉じていたのだった。