第24章 酔っ払いにはご用心。
side月島。
彼女だから
それだけで普通の彼氏…特に黒尾さんはあそこまで男を敵視しない。
あれだけ怒るんだから何かあるデショ。
面白そうで、黒尾さんが慌てる姿が見てみたくて、俺は一ノ瀬にわざと酒を進めた。
飲んだことあるっていうことはアレルギーとかではないだろうしね。
誘惑に逆らえなかった一ノ瀬は僕の横でプルタブを開け、1口、2口とチューハイを飲んだ。
「美味しい?」
「おいしい、です。」
「僕用のおつまみ、分けてあげる。」
「あ、チョコレート。クッキーもある。」
いただきまーす、とおつまみ…もといお菓子に手を伸ばし食べる一ノ瀬は…まあ普通。
だと思ってたんだけど、10分経った頃かな?黙々とくとお酒を飲んでいた一ノ瀬が、持っていた缶をテーブルに置いた。
「いちのせ…」
「けーさん、この部屋暑くないですかぁ?」
顔を上げた一ノ瀬。
目は潤み、頬は真っ赤。
おまけに着ていたカーディガンを脱ぎ始めている。
透け感のあるハイネックのインナーからは小さいけれど形の良い胸の谷間が覗いていて、黒尾さんがあそこまでいうのもわかった。
「あつーい。」
太ももまで上げていたサイハイソックスも足首までずり下げて、隠していた脚を露わにする。
あー。
これ、確実に黒尾さんに怒られるやつだ。
なんて思ってたら多分美優さんのところに行ってた黒尾さんが一ノ瀬の名前を呼びながらリビングに入り込んできたのだった。